こんにちは、元公務員人事のしょうです。
公務員試験に合格するような真面目な皆さんは、きっと合格後も「なにか勉強しなくちゃ…」と不安に感じているかと思います。
先に結論を言ってしまうと、机上の勉強をする必要はないので、悩んだり不安に感じたりする必要は全くありません!
その理由と、逆に何をすべきなのかについて、政令市の人事課で数多くの内定者の相談に乗ってきた僕がお答えします。
それでは、見ていきましょう!
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もくじ
1 法律やパソコンの勉強はしなくていい
入庁までにしておくべきことをネットで調べると、
「公務員は法律に基づく仕事をするので、最低限法律が読めるように勉強しよう」
「パソコンが使えないと話にならないので、ワードやエクセルの勉強をしよう」
という記載が数多く見つかると思います。
多くの内定者はこれを見て、
と憂鬱になるかと思いますが、僕は全く必要ないと思っています。
それぞれの理由について解説していきますね。
1-1 入庁前に法律の勉強をしなくてもよい理由
理由は単純で、「法律と言っても幅が広すぎて対応できない」うえに、「入庁するまで配属先が分からない」からです。
例えば僕が経験した部署でも、生活保護の部署では「生活保護法」を始めとする「福祉六法」を、人事課では「地方公務員法」や「地方自治法」をよく使ってました。
要するに、配属される部署によって使う法律は全く違うのです。
これらは仕事をしながら勉強すれば十分で、逆に仕事での使い道も分からない中で勉強しても何のことか分からないので時間がもったいないです。
裁判所事務官や国税専門官のような専門職であればある程度は法律の範囲も絞られますが、それでもやっぱり働きながら勉強すれば十分なので、内定先から特別の指示がない限りは特に予習しておく必要はないと思います。
1-2 入庁前にパソコンの勉強をしなくてもよい理由
入庁するタイミングでの僕のパソコンスキルはと言うと…
・大学でレポートを書いたりしてWordを使ったことはある
・高校のパソコンの授業で習ったSUM関数ぐらいは分かる
・ブラインドタッチはできるが、タイピングは全然早くない
ぐらいのレベルで、逆に言うとこれ以上のスキルは何も持ち合わせていませんでした。
こんなレベルでも、働きながら分からないことをその都度調べて学んでいくことさえできれば、職場の中でも「パソコンに強い人」という評価を得られるようになります。
(役所の中ではIF関数やVLOOKUP関数を使いこなせればエクセルマスター扱いされます。笑)
なので、入庁前に頑張ってパソコンの勉強をするよりも、「分からないことがあればググって調べる癖をつけておく」方が、仕事で成果を出すうえでよっぽど大事だと思います。
2 入庁前にやっておくべきこと
ここまでは「公務員試験が終わってまでも勉強しなくていいよ」という話をしてきましたが、ここでは入庁前にやっておくべきことについてお伝えします。
2-1 まとまった時間・お金を要すること
これは例えば、「長期間の旅行に行く」とか「運転免許を取る」といったことです。
公務員も休暇を取りやすいですが、長くてもせいぜい1週間から10日ぐらい。
2週間以上のまとまった休みをとることは至難の業です。
僕も一生のうちに「日本一周旅行をする」という夢があるのですが、働いてからはせいぜい四国一周とか九州一周ぐらいが限界なので、入庁前に行っとけばよかったな~と後悔しています。
そして僕だけでなく、同期なんかと話していても、「大学生の時に時間とお金をかけて色んなことすればよかった」と言う公務員が多いです。
また、「貯金はしておいた方がいいですか?」という質問を受けたりしますが、その必要は全くありません!なぜなら働いたら溜まっていくからです。笑
今はコロナの影響もあって旅行には行きづらいですが、入庁前には時間もお金も惜しまず、今しかできないことをやり切ってください。
2-2 色んなコミュニティに参加してみる
これは僕の元上司の人事課長が内定者説明会で話していて「確かに!」と感じたことです。
大学生までは自分で選んだコミュニティの中で、基本的には自分の好きな人と関わっていられましたが、公務員として働くとそうはいきません。
幅広い年齢の人たちや、これまで全く関わることがなかったような属性の人たちとコミュニケーションを取ったり、時にはそういう人たちのとの合意形成が求められます。
なので、気の合う友達と飲みに行くのもいいですが、それよりも、普段は参加しないイベントやコミュニティに顔を出してみることをオススメします。
対面でのイベントが少ないようであれば、オンライン上でも無料で様々なイベントがありますので、思い切って「参加する」ボタンを押してみましょう!
きっと自分とは異なる価値観に触れられて、視野が広がると思いますよ。
2-3 人生において役に立つ勉強をする
最初に「法律やパソコンの勉強はしなくてよい」と言いましたが、そういう「仕事をしていれば身につくような小手先のこと」ではなくて、「人生が豊かになるような勉強」をするのは大賛成です。
それは意識の高い自己啓発本を読むのでもいいですし、新聞を読んで社会の仕組みを知ろうとするのでもいいと思います。
個人的には、働く前にお金や投資のことを勉強するのがオススメです。
というのも、僕の知り合いも含めて多くの公務員が
・投資には興味があるけど、なんとなく怖くて手を出していない
・周りの人に勧められて、よく分からないけど高額な生命保険に入る
・社会保険料や税金が増える仕組みが分からず、なぜか手取り給料が増えない
・安定した身分&給料とは裏腹に、漠然とした金銭的な不安がある
といったお金にまつわる悩みを抱えています。
初心者にも分かりやすいところでいうと、両学長という方の「本当の自由を手に入れるお金の大学」という本なんかは間違いないですね。
正直、これ一冊あれば相当な分野のお金の知識をカバーできるので、日本人は1人1冊持っておくべきだと思っています。
本当の自由を手に入れる お金の大学 [ 両@リベ大学長 ]
まとめ
今回は、公務員試験に合格後、入庁までにやっておくべきことについて紹介しました。
僕の数多くの知り合いの公務員を見ても、入庁前に働くために勉強していた人よりも、アクティブに活動したり、自分の興味のあることに首を突っ込んでいるような人の方が、よっぽど活躍している印象です。
もちろん働いてからはしっかり勉強して、一人前の公務員になってほしいですが、それは入庁後に給料をもらいながらすればよいことであって、皆さんの入庁前のかけがえのない時間を潰してまでするようなことではないと思います。
そしてなによりも、公務員になるために必死に試験勉強して、働いてからもずっと勉強する必要があるのに、その間の期間ぐらいは目一杯好きなことをしてほしいと願っています。
それでは、また。