こんにちは、元公務員人事のしょうです。
これから公務員試験を受けるのに不安になってきました…
最近、僕のもとに寄せられる相談で、こういった内容が増えてきました。
たしかに、これから公務員になろうとしている人も、現在公務員の人も、「公務員に未来がない」と言われると不安になりますよね。
当ブログの意見としては、公務員はオワコンではないし、その価値を決めるのはあなた自身だと思っています。
その辺りについて、元公務員人事の僕が、なるべくフラットに解説していきます。
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もくじ
公務員がオワコンと言われる理由
なぜ公務員はオワコンと言われるのか。
端的に言うと、「公務員という存在や公務員の働き方が時代に逆行しているから」だと思います。
最近のトレンドとして挙げられるのが、
・終身雇用の崩壊やコロナ不況により、大企業でもリストラor減給
・組織に依存してはダメ、副業などでスキルを身に着けよう
・パソコン1台でどこでも稼げるのに、1日中職場にいる必要なんてない
・これからはAIの時代、誰でもできる仕事は淘汰される
このあたりでしょうか。
こうやって挙げてみると、確かに公務員は時代の流れに取り残されてる感がありますよね。
相変わらず副業は法律レベルで禁止されているし、コロナ禍であってもテレワークは進まず、しっかりと朝から夕方(晩)まで職場で仕事しなきゃいけない。
ましてや、定年まで働けなくなったり、年功序列じゃなくなって給料を減らされたりしたら、公務員としての旨味は半減。いや、半減どころじゃないぞ…!?
しかもAIが公務員の仕事をこなすから、もはや公務員は一斉にリストラ!?!?
こんな意見が出るのももはや当然のことです。
公務員をオワコン扱いする人に注目すべき
ここで、「公務員はオワコン!」とSNSやツイッターで発信する人たちに注目してみましょう。
色々と調べてみると、大きくは次の2パターンに分けられそうです。
①ノマド的な働き方を推奨するインフルエンサー
②仕事が合わずに苦しんでいる現役公務員や元公務員
そして、こういった人たちにとっては、公務員をオワコン扱いする以下のような動機があるのです。
①ノマド的な働き方を推奨するインフルエンサーの場合
最近はSNSとかでもこういった人をよく見かけますよね。
今や誰でもパソコン、スマホ、タブレットを持つ時代。どこからでも簡単に情報にアクセスできることから、個人でもフリーランスで稼げる人が増えてきました。
そして2020年、未曽有の感染症拡大により、リモートワークが政府主導で推奨されたことも相まって、こういったノマド的な働き方がより脚光を浴びることになります。
ここでポイントになるのが、インフルエンサーの人たちは、自分自身の商品や情報を売って生計を立てているということ。
安定の象徴ともいえる公務員を否定することにより、その真逆の働き方の価値を高め、
というふうに自分の商品や情報を売りたいわけです。
膨大な情報に振り回されないためには、こういった情報の背景を知っておくことが大事です。
注意
僕はこういったインフルエンサーが嫌いなわけではありません。
彼らのビジネスモデルを理解した上で情報と付き合いましょう、という話です。
②仕事が合わずに苦しんでいる現役公務員や元公務員の場合
公務員としての働き方が合わずに苦しんでいる人や、それが原因で辞めてしまった人が多くいるのは事実です。
SNSなどでこういった人たちが公務員叩きをしているのを見ると、本当に悲しい気持ちになります。
公務員という存在やその働き方を否定することで、なんとか自分自身のバランスを保っているのかなと思うと、少しは理解してあげられる気がします…。
残念ながら、働き方が合わずに苦しむ人がいるということは、公務員に限らず、どこの会社でも、フリーランスであっても起こりうることです。
そして、それが公務員の場合だと、
・国家公務員、地方公務員合わせると全国に300万人以上いるという母数の多さ
・世間が公務員に対して共通のイメージを持っているという分かりやすさ
・300万人もいる職業を「公務員」と一括りにして語れる便利さ
という特徴から、公務員についての発信が多くなり、その分ネガティブな情報にも頻繁に出会ってしまう、ということです。
メモ
このように、情報に触れる際には、その情報が発信される背景を知ることで、受け取り方が変わってきますよね。
元公務員人事しょうの意見
これらを踏まえた上で、政令市で人事を経験して、公務員についてそこそこ理解がある(つもりの)僕の意見を言います。
公務員の在り方は変わっていないし、オワコンでもない
個人的には、公務員という職業には変わらず魅力があると思っています。
コロナ禍により多くの企業やフリーランスがダメージを受け、解雇や減給を余儀なくされる中、公務員だけはどこ吹く風。
ボーナスもほぼ横這いで、解雇どころか採用募集数にもほとんど影響は出ませんでした。
僕も民間企業に移ったのでよく分かりますが、特に大きく変化することもなく、またリスクを背負ってチャレンジをするわけでもなく、こいういった状況を維持できるというのはとんでもないことです。はっきり言って異常です。
むしろコロナによるパンデミックをきっかけに、公務員という仕事の異常なまでの安定度が顕著になったとさえ言えるでしょう。
また、「AIの発達により公務員はクビか減給か」みたいな意見も目にしますが、元公務員人事の立場からすると、
と言いたくなります。
どれだけ仕事しない人がいてもクビにできないし、給料を下げることもできない。良くも悪くも、それが公務員なのです。
確かに公務員の数自体は減っていくのは間違いありませんが、それは年長者の退職を勧奨したり、新規採用数を抑えることで調整するだけの話なので、「これからの時代は公務員としての身分が危うくなる」という意見は的外れだと思っています。
ひとこと
個人的な意見を言えば、政府主導で役所ももっと変革してほしいと思っていますが、人に紹介する仕事として見れば決して悪くない、というのが所感です。
公務員の価値はあなた次第
その一方で、公務員としての働き方が合わない人がいるのも事実です。
結局は、その人自身がどういった働き方をしたいか、というだけの問題なんですよね。
それが、働き方が多様化したことで、インフルエンサーが発信することで情報が増えたことで、働き方の選択肢が増えた。
公務員という職業の特徴は今も昔も変わらないので、増えた選択肢の中から公務員という職業を取り出して、それが自分に合うかどうかを考えるしかないのです。
公務員って恵まれた仕事だと感じていたし、ありがたいことに評価もされていたけれど、どうしても他の働き方も経験してみたくなって転職しました。
公務員として働いていくうちに、ある程度自由に仕事したり、自分自身の責任で仕事をしたいという価値観に気付いたわけですが、それでもやっぱり公務員という職業には魅力があると今でも思っています。
公務員が合っている人もいれば、別の職業の方が合っている人もいる。
当たり前の話ですが、でもそれだけのことなんですよね。
先ほどの話にも繋がりますが、情報の量が増え、選択肢が増えたことによって、隣の芝がより青々と見えるようになった、ということなのかもしれません。
ポイント
公務員は別にオワコンじゃないし、良くも悪くも変わらない職業。
それが自分に合うかどうかを改めて考えることが大事。
まとめ
その人自身がどういった働き方をしたいか、それが公務員という職業にマッチしているのか、それを考えることが大事なのではないか、というお話でした。
安定して長く勤めたいのであれば最適解になり得るし、マ○ブさんやイケ○ヤさんのような働き方を目指したいのであれば、公務員という職業を選択すればきっと後悔が待っていることでしょう。
結局は正解は個人の価値観の中にしか存在しないんです。
繰り返しになりますが、公務員という職業には変わらず魅力もありますし、逆に人によっては残念に感じることもあります。
「その性質が良くも悪くも変わらない」という性質を持っていることも、コロナによってより鮮明になりました。
なので、自分自身ととことん向き合って、どんな働き方が幸せなのかを考えて、自分にとってはそれが本当に公務員なのか、ということを考えてみてください。
そうして1人でも多くの方が、後悔のない選択ができることを、そして公務員という職業を選択した場合には、イキイキと働く素敵な公務員になることを祈っています。
それでは、また。