こんにちは、元公務員人事のしょうです。
面接で落ちる人の特徴を教えてほしい!
そんな人のために、政令市で面接官を務め、1,000人以上の受験生を見てきた僕が、公務員試験の面接で落ちる人の特徴について、以下の3つのポイントに絞ってご説明します。
・アルバイト経験がない
・主体性がない
・台本朗読マシーン
当てはまる人を傷つけるつもりはないですし、そういった方でもこの記事を見て対策してもらえればと大丈夫です。
それでは、見ていきましょう!
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もくじ
アルバイト経験がない
そんな殺生な…と思うかもしれませんが、残念ながら面接官のホンネです。
「部活動やってなかった」「サークルやってなかった」とは比べ物にならないぐらい、アルバイト経験がないのは面接では不利です。
主な理由を2つ挙げます。
・仕事をした経験がないことを不安視される
・アルバイトをしないというマインドが共感されにくい
それぞれ説明しますね。
仕事をした経験がないことを不安視される
なんだかんだ言って、アルバイトで得られる経験は大きいと思います。
ファミレスでの接客経験も、焼き鳥屋での調理経験も、塾講師として多くの生徒を教えた経験も、すべてかけがえのない財産です。
なによりも、「チームで仕事をしたこと」や「作業の効率化のために工夫したこと」など、公務員として仕事をするうえでアピールしやすい要素がたくさん詰まっています。
もちろん、アルバイト以外でもこういった経験をアピールできますが、「お金をもらいながら社会人練習生としての経験を積める」のに、やらない手はないですよね。
ポイント
面接官は、アルバイトでの働きぶりから、あなたが公務員としても働けるかを妄想しています。
アルバイトのエピソードから、しっかり働けることをアピールしましょう!
アルバイトをしないというマインドが共感されにくい
アルバイトとして「働いた経験がないという事実」もそうですが、それ以上に、「アルバイトをしない」という選択をしてきたマインドに引っかかる面接官が多いです。
なんと表現したらいいのか…面接で「働きたいです!働かせてください!」と言ってる人が、「これまではあえて働いてこなかったのですが」と言うことの矛盾感というか。
もちろん、部活が忙しかったとか、勉強でそれどころじゃなかった、というのは分かりますし、アルバイトをしない人を否定する気もありません。
ありませんが、こと採用面接においては、
学費や生活費は親から仕送りをしてもらっていました
という受験生の次に、
部活の費用などは全て自分で賄ってました!
という受験生が来たら、後者の方がバリバリ仕事してくれそうな印象を持ちませんか?
一言メモ
さすがに今からは間に合わないしオワタ…
という方は、せめてアルバイトをしてこなかった理由を説明したうえで、「働くことに興味があるので、就職活動が終わり次第、アルバイトをしてみたいです!」と少しでも前向きな姿勢を見せるようにしましょう。
主体性がない
公務員に主体性って必要なの?
と思われたかもしれませんが、必要なんです!
ここでは「公務員に主体性が求められる理由」と、「主体性がないと判断される失敗例」について説明します。
公務員に主体性が求められる理由
「働き方改革関連法」が2019年に施行されるとともに、2020年には新型コロナウイルスの影響も受けて、急速にリモートワークが導入されるなど、世の中の働き方は一変しました。
それによって、これまでは同じ部屋でこまめに指示を出せていた上司たちも、在宅勤務が増えてくるとそうはいきません。
また、少子高齢化が進むことにより税収は減るわけですから、公務員の数も減る一方です。
すると、逆に1人当たりの公務員が判断しなければいけない場面は増えるわけです。
もう分かりますよね?
「お役所仕事」と言われるような、前例踏襲や指示待ちのような仕事では通用しなくなり、個人個人でしっかりと主体的に判断し、自ら動いて仕事を進めてくれる人が必要になります。
よって、
誰かに言われてから作業しよっかな…
こういう人は、採用したくないわけです。
主体性がないと判断される失敗例
皆さんは、次の受け答えを見てどう感じますか?
面接官からすると、「自分で決めて自分で動かんかい!」とツッコミを入れたくなります。
これでは、せっかくの留学エピソードが台無しですね。
この他にも、「アルバイト先で業務改善を行いました!」という話をされ、よくよく深堀りしてみると、社員の発案・指示のもと動いただけで、この受験生が主体性に何かをしたというエピソードは1つも出てこない、ということもよくあります。
ポイント
背伸びして大きなことを話そうとすると、成果から逆算して無理矢理な組み立てになりがちで、こういった残念なギャップが生まれてしまいます。
その時に自分はどう感じて、どのように判断して何をしたのか、という「自分自身を起点とした」エピソードで組み立てる方が良いですね。
台本朗読マシーン
3つのポイントのうち、正直これがダントツで重要です!
というかこれを伝えたいがために、今回の記事を書いたといっても過言ではありません!!
台本朗読マシーンとは
字面で雰囲気を伝えるのも難しいですが…
この時の面接官は、おそらく
こんな感じになっていると思います。
台本朗読マシーンの特徴としては、
・暗記した台本を流暢に話そうとしすぎて、日常ではありえない話し方になる
・暗記した台本の内容に寄せるために、質問の意図と離れた回答になる
・面接用の話し方があると信じてしまい、自然な会話のキャッチボールができない
こういったものが挙げられます。
そして、それらの問題点を2つ挙げるとすれば、
・面接用の仮面を脱いでくれないせいで、その人の人柄が全く分からない
=優秀かどうか以前の話として、人物像について評価すらできない
・質問の意図を汲み取る力がないと判断されてしまう
=コミュニケーションコストがかかると判断されてしまう
といった感じです。
上に書いた例にしても、普段では絶対に使わないような表現を多用し(日常で「わたくし」とか言わないですよね)、あまりにも堅すぎる雰囲気のせいで、その人がどんな人で、職場ではどんなコミュニケーションを取るんだろう、というのが全く見えてきません。
また、簡単な自己紹介を求めているだけなのに、用意した「自己PR」や「ガクチカ」を話したいがために、質問の意図からどんどん離れてしまっています。
ポイント
面接だからと言って過度に丁寧に話す必要はなく、「初対面のアルバイト先の先輩に話す」ぐらいの感覚でちょうどいいと思います。
就活に関する誤った情報に注意しよう
僕は面接官をしていて、不思議で仕方ありませんでした。
なんでこういった台本朗読マシーンが大量発生してしまうんだろう…と。
そして、公務員を辞めて、自ら情報発信をするためにツイッター、ブログ、就活本などで情報収集をしている中で、ようやくその謎が解けました。
世の中には、就活に関するおかしな情報で溢れかえっているではありませんか!!
ノックの回数とか、お辞儀の角度とか、そんなもんどーでもええっちゅうねん!!!
「定量化」とか「本質をついた逆質問」とか、そんな小手先のテクニックなんかええねん!!!!
それらが無意味とか言うつもりはないですが、そんなマナーに縛られてその人の良い部分も素の一面も消してしまうのなら、はっきり言って害悪以外の何物でもないです。
~マナー講師の皆さんへ~
お願いですから、就活生に過度に丁寧なマナーを叩き込むのはやめてください。
「明るく、ハキハキ、元気良く、愛嬌たっぷりに」
これでいいじゃないですか。
え、「それだと私(わたくし)達の仕事がなくなってしまいます」って?
う~ん、確かに不景気で再就職も難しい時代ですからねぇ…。
まあでも就活でのマナーを教えてるぐらいなんだから、面接なんて余裕のはずですよね^^
ポイント
その情報を発信しているのは誰なのか、その人にはどんな実績があるのか、注意して見る癖をつけましょう。
中には、自分自身の就活での経験だけをもって「必勝テクニック」として発信しているものもありますが、あくまで「それで受かった人が1人いたんだな」と割り切って付き合いましょう。
まとめ
今回はどうしても伝えたいこともあったので、熱くなってしまいました。
面接官をしているときに、どんなに良い人でももったいない伝え方をしてしまっていたり、誤ったマナーに縛られて良い面が見えなかったりと、本当にもどかしい思いをしてきました。
僕が情報発信をする一番の目的として、就活や公務員試験に関する誤解を解いて、その人の本当の姿をいかに素敵にアピールできるかをサポートしたいと考えています。
そうして面接でのミスマッチが減れば、理不尽に落とされたと嘆く受験生も減り、優秀な受験生を泣く泣く落とさなければならない面接官も減って、双方にとってWINーWINな状況を作り出せると信じて、これからもブログを書き続けていきます。
それでは、また。